帯広の中心地にほど近い、国道３８号線に面した建物は、築４５年を経過し構造的にも意匠的にも朽ち果てた感じを漂わせ、売物件として長きにわたり次の所有者を探している状態でした。
国道には面しているものの、間口が狭く当初はそれほど興味も無かったのですが内覧だけのつもりで内部確認させて頂いたときに、この建物の元々あったポテンシャルに心動かされ、急遽取得に向けて動くこととなりました。
やはり、内部の細かいところを確認するとかなりのダメージはありましたが、スクラップ＆ビルドを繰り返す、
今までの建築に違和感を常に持っており、もう１度再構築することによって、建物は蘇ることをこれから住宅を所得する方にも示したく、ちゃんとしたリノベーションも見て欲しいと事務所建築を進めました。
構造と断熱の最低限の補強を（住宅では重要な要素ですが今回は事務所ため最低限としました。）行い、大胆な減築によって南北間に外部通路を創り（９5坪から７5坪へ）１店舗だつた建物を３分割の３店舗にし、Cryptn事務所の他２店舗は貸事務所としました。
もちろん、新しいものを創り上げる事も楽しいですが、古い良さを残しつつ新しく息を吹き返すリノベーションも
本当に楽しい仕事だと今回改めて感じました。
色んな事情により、建物は解体をされていきますが、不動産の流通であったり住宅に対する考え方を少し変えることによって、欧米並みに築年数をこの日本でも伸ばすことが出来るのではと強く感じました。
